都心で家を建てる時、敷地は細長くかつ隣地の家がせまっていることが多い。そういう敷地の場合、中庭をつくることはとても有効な方法です。細長いとどうしても真ん中あたりが空気の流れが悪く、暗い場所ができてしまいますが、中庭の空いた空間をつくることで、空気が自然に流れ循環していきます。また太陽の光が射しこみます。中庭の位置によって射し込む光の質が変わってきますので、朝日は入っても西日などが入らないように気をつける、などしながら位置を決めます。光や風の通りもよくなりますが、視覚的にも建物内に外部ができることで、空間に奥行きが生まれます。外部の道路や近隣の家からは見えない場所なので、外部からの視線を気にせず、全体を窓で囲うなどオープンな空間をつくれます。中庭は昔から町屋などで用いられてきた都会に住むための伝統的な知恵のひとつです。