いくつもの案-yoshihara

070918 最近コンペに参加する機会が多くなった。建売やハウスメーカーだと違う住まい手・違った敷地・違う生活条件でも同じタイプの住宅が提案される。一方建築家のコンペでは、同じ住まい手・同じ土地・同じ条件でも、毎回それぞれ違ったいくつもの案が提案され興味深い。
本来、住まいはそこに住む人・生活条件・敷地環境などが違ってくると、そこに建ちあがる住まいもそこならではのものができあがるのではと思うのだが、経済優先のこの国では、なかなかそんな訳には行かない。大手企業ほど経済原理が働き、住まいは規格化されシステマチックに生産されて、結果どこに行ってもそこに住む人が関与できない似たような住まいが建ち並ぶことになる。そしてそれらは10年も経てば貧弱な町なみとなってしまう。かって、その地域・土地ならではの住まいの風景があった。時代とともに住まい方や建築技術も発展しそんな風景も変容してきたが、それでもそこに住む人・その土地・今の時代ならではの住まいができないかと日々悶々と設計を進める。
年間何万棟もの住宅を生産する建売やハウスメーカー、方や年間10棟も計画すればメイ一杯の設計事務所。まったく非効率な仕事・・・それでも一つでも魅力的な住まいができれば、町なみも少しは良くなるのではと妄想を抱きつつ・・・いくつもの案を考える。