実施設計図面ができあがると、施工会社(工務店、建設会社)に図面の内容に基づいた正確な見積もりを依頼します。
2~3社の施工会社をリストアップします。主に次の点に注意をしながら選んでいきます。
■会社の経歴書、竣工物件の資料を提出してもらいます。
そこから、ある程度その会社の技術力や得意とする分野などがわかります。
■会社の仕事の体制や大工さんなどの職人さんとの関係。
下請け業者に”丸投げ”するのではなく、施工会社の責任者が専任できちんと現場管理しているか。
■施工会社が、完成後の住宅のメンテナンスに容易に行ける場所にあるかどうか。
特命方式と相見積もり方式の2通りの方法があります。どちらにするかは、その現場の状況によって違います。
①相見積もり
同じ設計図をもとに2~3社に見積もりを依頼し、比較検討して1社に決定する方法。設計者や建主がリストアップした施工会社の中から選びます。ただし、「一番安いところに決める」というのではなく、見積内容が適正価格で、かつ設計図をきちんと把握しているかどうかで判断します。
(図面の内容が正確に見積もりに反映されていないと、工事のトラブルの原因となります。)
②特命方式
ある分野の施工を得意とする信頼できる1社のみに見積もり依頼をする方法。価格競争によるダンピングのない適正価格で質の高い仕事ができます。
各施工会社から詳細な項目の入った見積書が提出されます。各項目をひとつずつチェックしていきます。 チェックポイントは主に次の通りです。
・見積書の仕様が設計図通りかどうか。材料や施工方法が施工会社の都合のよい解釈になっていないかどうか。
・一式工事が多く、明細が少なくないか。(どんぶり勘定になっていないか)
・適切な数量が入っているか。
・適切な単価が入っているか。
・別途工事の内容を確認する。(別途工事とは見積金額に含まれていない工事です。)
・申請費用等が明確に記載されているか。(水道・ガス・電気等・・・)
■施工会社の決定
設計の内容を工事できる技術力があるかどうか、提出された見積書の内容が適切で、見積もり漏れ等がないかをチェックし、その工事にもっとも適した施工会社が決定されます。
予算がオーバーしてしまったら
全ての希望を叶えようとすると、予算オーバーの原因となります。もう一度自分の生活にとって必要なものは何かを考えてみましょう。設計者は施工の方法、材質などを再検討します。設計図を修正し、再見積をとり予算内に納まるように調整します。