路地、格子、坪庭、土間、借景など、伝統的な建築にはいまでもモダンでハッとするような心地よく美しい空間が受け継がれています。それらはただ美しいだけでなく、蒸し暑い夏を涼しく過ごす工夫や都市部の狭小地に自然を取り込むアイデアなど、住まいの様々な知恵や工夫が凝縮されています。
例えば坪庭は、小さい家でも四季の移ろいが感じられる豊な空間であり、光や風を通す装置ともなっており、そこに敷かれる白砂は光の反射板ともなっているのです。
それらの知恵、意匠、光や風の入れ方などを、現在のライフスタイルに合うデザインに再考し、今の技術や素材を使いながら、住まいづくりに生かせればと考えています。