ドイツ、スイスとの国境近い街コルマールに行きました。コルマールは戦争の被害にほとんどあわなかったためこの地方独特の木組みの家があり、街並みもルネッサンス時代のものが残っています。迷路のような石畳の道、かわいらしい木組みの家や教会、窓辺の花、小さな運河、、、まるで絵本の中の街のようでした。
そのコルマールにあるウンターリンデン美術館へ行きました。ウンターリンデン美術館は13世紀の修道院を改装して1853年に開館した歴史のある美術館です。近年ヘルツォーク&ド・ムーロンによってリノベーションがおこなわれ、2015年にリニュアルオープンしました。
・ヘルツォーク&ド・ムーロン:スイス人建築家ジャック ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンのユニット。日本では東京 青山にあるプラダブティックを設計しています。
美術館の詳しい情報は
・フランス観光公式:http://jp.france.fr/ja/discover/94433
・メゾン デ ミュゼ ヂュ モンド:
http://www.mmm-ginza.org/special/201610/special01.html
建物は、修道院の美しい回廊がある建物と昔プールがあったところを改装した建物に分かれています。右側模型が中庭と回廊のある旧館。
エントランスからまず旧館の回廊に入ります。
中庭に面した半屋外の回廊。
この美術館は、「イーゼンハイムの祭壇画」で有名な美術館です。
コルマールの街でかつて使われていた装飾品、看板などの展示もあります。
旧館から新館へは地下でつながっています。
旧館とつながるホール。奥の階段で地下へ。
うっとりするくらい美しい階段。うすいピンク色の塗り壁が微妙な曲面をつくっています。黒色のシンプルな手摺
シンプルですが、先端をカーブさせ、機能面の配慮もされています。
間接照明が効果的に壁の曲面を照らしています。
天井の照明器具。天井からすーっと配線がのびているような工夫がされています。シンプルなものなので、細かいところがきれい
ドアや窓まわりの壁が全て3方向とも斜めになるようにつくられていました。施工に一手間かかりそうですが、古くからあるドアや窓の形が強調されてきれいに見える様に思いました。
プールがあった大きなホール。企画展がおこなわれていました。
新館は近代、現代美術の作品が展示されています。
ヘルツォーク&ド・ムーロンの建築は、大胆な形態が多いイメージがありましたが、この美術館では、現代のデザインもとりいれながらも、歴史ある建築の素材の質感や形の美しさを引き出してよりよく見せるような工夫、それらを大切にしながら設計されているように感じました。
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