徳次郎と書いて「とくじら」と読む。ここ栃木県の徳次郎町西根は、石造りの民家や蔵などが点在する小さな村。大谷石の仲間だが微妙に色合いや表情が違う「徳次郎石」で塀や門扉、基礎や壁、そして屋根瓦までもつくられている建物もある。
重厚な石造に,、チープなサイディングやトタン屋根葺きなどとアンバランスな風景もあり、まぁーそれほど石が身近にあったと言うことなのだ。裏山や近くでとれるもので家をつくる、一昔前までは、当たり前のことだったのだろう。それがいつの間にか、つくる人の手を離れショールームに飾られ、商品と呼ばれるようになってしまった。
素材の現場を訪ね、手に取り感触を確かめ、それで何がつくれるか考えてみる。そして実際に使ってみる。そんな積み重ねが、ものづくりの原点となるのだろう。