東京(北緯35度)の場合、夏至の太陽入射角は78°冬至は32°なので、その差は大きく46°となります。この入射角を考慮し、窓の配置や庇の出寸法を調整してゆきます。夏の日差しは遮り、冬は太陽光を室内に取り入れることが開口部廻りの基本となります。
窓廻りは室内の温熱環境にもっとも影響を与える部分です。断熱・遮熱性能を持つエコガラスなどで、夏場の太陽熱を遮断し、冬場は断熱し、暖冷房の使用率を減らし、省エネルギーな住環境を考えます。
また夏の暑さ対策として、障子やルーバーによる日射調整、庭木や屋上緑化、蔓系植物によるグリーンカーテンから蒸発する水分の気化熱なども効果的です。冬は窓から差し込む日射熱を、熱容量の大きな床や壁に蓄え、放熱させて暖房効果を得る、ダイレクトゲインという方法もあります。
敷地条件やプランに合わせ、細かい工夫を積み重ねてゆくことで、夏涼しく、冬暖かく過ごせる住環境を計画することが可能です。