収納のキホン

年末ですね。大掃除、溜った物を捨ててスッキリする季節。
物の整理をすると今一度収納について考えてみようと思う時でもあります。巷には収納についての情報は沢山ありますが、収納の基本的なことについての情報はあまりないように思いました。

そこで収納の基本的なことについてのお話しです。

収納の基本はとてもシンプルです。
○「必要な場所に」使う物の寸法に合った「奥行」の収納をつくる、です。
これをおさえれば、家事動線にも無駄がありません。でもこれが意外とできていない家が多いように感じていました。

収納の方法も大きく3通り。
①建具をつけてどこからも見せないようにする。
②必要な場所には建具をつけずオープンにしておくが、それ以外の場所からは見えない。
③飾り棚のように飾って見せながら収納する。
収納内部は基本邸に可動棚にしています。スライドするバスケットなど他にもありますが、可動の棚板だけのほうが応用がききやすいです。

実例を見ていただくと。。。

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こちらは中延の家、光風舎の自宅兼事務所で1階は事務所、2、3階は自宅です。建坪9坪の狭小住宅のため少ないスペースでも収納ができすっきりと暮らせる工夫を考えてします。3階にキッチン(右側、約6畳)、中央にベランダ、左側がリビングダイニング(左側、約6畳)です。

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キッチンにあるカウンター収納についてご説明します。
置き家具としての食器棚はなくこの中に普段使う食器を納めています。リビング側から見ると、建具がある見えない収納になっているので、キッチン側の物が見えません。(収納方法①)

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キッチン側は食器収納以外は建具をつけずにオープンにして、すぐに物が取り出せるようになっています。(収納方法②)鍋類や、調味料など雑多な物が沢山あるのですが、ちからっていてもリビング側からは見えないし、さっと取り出せるので作業の効率はよいです。

Photo_2収納の寸法ですが、まずは普段使う中で1番大きいお皿の寸法を測ります。この寸法に1センチ位足した寸法を内部の奥行にします。食器なので建具をつけて埃が入らないようにしますが、キッチンカウンターとの間が70センチくらいしかとれないので、開き扉ではなく、引違い戸にしました。
間の寸法が狭いところで、開き扉や、引出タイプにすると人の足などにぶつかってしまい使いにくいので。70センチは2人以上で使うときは狭いですが、1人だとかえって作業に無駄な動きがなくて使い勝手がよいです。料理をして盛り付ける時後ろを向いてすぐにお皿が出せて便利ですし、食器の片づけもすぐにできます。

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カウンター収納の高さは、炊飯器、トースターが隠れる高さにしてリビングから見えないようにしています。床から110センチの高さで、この高さだとカウンターに食器をのせての受け渡しもしやすいです。

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カウンターの立ち上がり部分には窪みができるので、調味料のスペースにしています。(収納方法②)

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リビング側の建具がある収納の中には、コーヒーカップなどが1列に並べられるようになっています。(収納方法①)
内部の奥行は、約18センチです。カップ以外にもワインなどお酒を並べるのにも便利です。

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キッチンカウンターの上部には飾り棚のような無垢板を2枚、壁から出すように取り付けています。

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これは飾り棚のようにガラス瓶に入れた調味料などを置いて収納しています。(収納方法③)
コーヒーやお茶、パスタやローリエ、唐辛子に八角やシナモンなど、食材も色とりどりで形もおもしろく、飾りとしても見て楽しめますよね。それにこうしたものは扉の奥にしまってしまうとつい忘れてしまって、賞味期限切れ、、、ということがよくあったのですが、このように常に見えるようにしておくとそういう心配もなくなりました。このようにひとつのカウンター収納でも、使い方や場所の見え方によって収納方法を変えています。
それによって無理なく快適に過ごすことができるようになります。