昼休み自転車で、世田谷美術館ダニ・カラヴァン展へ。カラヴァンはイスラエル生まれの芸術家。イスラエル国内はもとより、世界各地に環境彫刻を実現させている。
その中のひとつ《passages》は、フランス国境に近いスペインのポルト・ボウという海沿いの町にある。ユダヤ人哲学者ヴァルター・ベンヤミンがナチスに追われ、アメリカ亡命を決意し、国境を越え逃げ切れず服毒自殺をした場所だ。ベンヤミンへのオマージュ。地中海を見渡せる断崖に33メートル、トンネル状のコールテン鋼が突き刺さっている。地上に見えるのは入口のみ、途中で天井が裂かれ陽光が差し込み、さらに進むと紺碧の海が現われ、眼前に波しぶきが迫ってくる。先端のガラスには「有名な人びとよりも、名もない人びとの記憶に敬意を払うほうが難しい。 歴史の構築は、名もない人びとの記憶に捧げられる。」というベンヤミンの言葉が刻まれている。
世田谷美術館には、npo家づくりの会の仲間たちで発行している”家づくりニュース”を毎号、置いてもらっています。お立寄りの際には、是非どうぞ。