ギャラリー間 で開催中の「杉本貴志展 水の茶室・鉄の茶室」に行きました。
「水の茶室」が美しくて儚さに涙が出そうになりました。(最近めっきり涙腺が弱い)
暗闇の中、上から下へ移動する無数の細いワイヤー。ワイヤーが下へ降りる時に雫がつくようになっている。自然に落ちる雫。人がデザインした配列ではなく、偶然ついた自然なランダムさ。ライトの光に照らされ小さな宝石のように輝く無数の雫が、茶室の壁。見つめていると雪が降っている時と同じ、下へ吸い込まれそうになる。
はかない。一瞬でしかない、雫。消え入りそうな雫。「建築」では成立しない、儚さ。待合の古い梁を利用した腰掛に座って長い時間見つめていました。「お茶」は昔少しだけかじったのですが、御茶事は「一期一会」、一瞬の出来事の美しさや人の気持ちが出会う場。ここでしかできないインスタレーションのようでも、「お茶室」なのだと思う。今回裏千家の協力とあったので、建築関係とはあきらかに違うかな、お茶の先生かな?と思われる方々が多くいらっしゃっていて、お着物をきちんと着て、本当のお茶席のように、杉本さんデザインのガラスの火鉢や、ガラスの発光体の水入れをじっくりながめていらっしゃる姿が実にきれい、うっとり見つめてしまいました。