宇都宮市徳次郎町にある西根集落には、大谷石でつくられた町なみが残っている。一口に大谷石といっても採掘される場所により色合いや硬さが微妙に違い、深岩石、田下石、徳次郎石(とくじらいし)など数種類ある。
石とトタンの建物、アンバランスだがそれだけ大谷石が身近にあったと言うことだ。外壁だけではなく、基礎や屋根まで石でつくった建物もある。
大谷石はほんの数十年前までは人力で掘り出されていた。耐火性があり加工しやすいので、塀や門、蔵などの材料として数多く使われてきた。自然の素材でつくられた町には、時が経っても力強い美しさが宿っていた。
しかし今では、その座をコンクリートブロックに奪われた。素材の産地を訪ねてみると、いろんなことに気づかされます。