狭小住宅 / 窓の位置で暮らしを楽しくする

住宅密集地の中で建てる狭小住宅の場合、窓をどの位置に取り付けるかによって近隣からの視線を感じたり、光や風の通り方に違いがあったりと、暮らし方にまで影響がでてきます。周りの環境を考えながら工夫することで、暮らし方が楽しくなる窓の取り付け方をご紹介します。

■隣接する家の窓や室外機などがあればそれらとかぶらない位置にすること、道路などからの視線が入らない工夫をすること。

道路からは見えない内側のベランダに大きな窓をあけています。昼間でもカーテンのようなもので視線を隠すこともなく過ごせます。また隣家の窓の高さと位置が違うため、南側にも大きな窓を開けています。

2階の浴室ですが、隣の家の窓や室外機が丁度壁の真ん中あたりにあるため、窓は天井付近の上部へ取り付けています。

■借景として樹木の緑や青空など自然を室内へとりこむことで、季節感や自然を楽しめます。

3階リビングには、床付近にFIX窓と、斜めの壁にトップライトがあります。

近隣の家の柿の木の緑が眺められます。新緑の緑、秋になると実がなる様子が楽しめます。柿の木には鳥が休みにくるので、時々バードウォッチングもできます。オナガドリもきていました。

トップライトは額縁のようにまわりを折り込んだ形にしています。

季節のよって空の色、雲の形の違いがわかったり、夜、満月がトップライトの中にひょっこり入ったりするときれいな絵のように見えます。

道路側の窓です。上部が3階の柿の木が見えるFIX窓、下部が引き違いで寝室から柿の木が見える大きな窓です。

1階の部屋の小さな窓は玄関の坪庭を眺めるための小窓です。

狭小住宅でも、外の景色を借景とするように窓をつくることで、室内にいても季節感や自然を楽しみながら暮らすことができます。