家づくりでたいせつなこと11~ 道路斜線 ・高度斜線 ~

■建物の高さ制限

不動産屋さんのチラシの中には、「用途地域」は必ず書いてあると思います。例えば、「第1種低層住居専用地域」とか「第2種中高層専用地域」とか「近隣商業地域」などなど。その地域ごとに建てられる用途(内容)が決められているので、それを表しています。通常の戸建て住宅の場合、建てられるかどうかで問題になることはあまりなく、それよりもその地域によって建てられる高さの制限があることです。

戸建て住宅のボリュームで影響をうけるものとしては、「道路斜線」と「高度斜線」があります。実際は図面を書いて、それがどの高さまでできるのか、具体的に検討しないとわかりませんが、ここではほんとにざっくりと(こまかい緩和や規制は考えないで)イメージすると、

第1種低層住居専用地域、第2種住居専用地域、田園住居地域、第1種中高層専用地域、第2種中高層専用地域、第1種住居地域、第2種住居専用地域、準住居地域

:道路斜線の勾配が、ほとんどの地域で1.25 (前面道路の反対側の境界線から、1.25の勾配のラインをひきその範囲内で建てられます。)

近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域

:道路斜線の勾配が、ほとんどの地域で1.5(前面道路の反対側の境界線から、1.5の勾配のラインをひきその範囲内で建てられます。

その敷地の前面道路の並びに新築の建物があれば大体そのくらいのボリュームで建てられるという参考になります。商業や工業系の地域は住居系の地域よりも勾配が緩いので高いものが建てられます。

それぞれの市や区には「高度地区」という地域をつくっていて、日照・通風・採光の確保や景観を考えることなどを目的としいます。不動産やさんのチラシに記載がないときは、役所のHPに大抵地図があり見ることができます。

「高度斜線」は3種類あり、真北方向に対して斜線をひきます。(以下は都内の高度斜線の参考図です)

・第1種高度地区 真北方向の敷地の境界線から5m上にいってそこから0.6勾配のラインの範囲内に建てられます。

・第2種高度地区 真北方向の敷地の境界線から5m上にいってそこから1.25勾配のラインの範囲内に建てられます。

・第3種高度地区 真北方向の敷地の境界線から10m上にいってそこから1.25勾配のラインの範囲内に建てられます。

その敷地にどのくらいのボリュームが建てられるのか、一番気になるところだと思いますが、まずは大雑把でもこの方向から高さの制限があるかもしれないな ということをわかることは大切だと思います。

土地探しでたいせつなポイントをいくつか書いてきましたが、その他には、まわりの環境や雰囲気、公園や街路樹などの緑、子どもの学校までの距離や、駅までの距離などなど、建築関係以外のことも大切ですよね。

総合的に考えて、パーフェクトでなくても「これなら大丈夫!住みやすそう。」という人それぞれのラインを決めて決断しましょう。でも土地は高額です。決断は大変ですよね。そんな時にはお気軽にお声かけください。不動産やさんとは別の設計者の視点からアドバイスできると思います!